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Zeiss Ikon Contessa
2001/03/25(日)

Zeiss Ikon Contessa 正面

 YASHICA T4 superのところでも書きましたが、生来のマイナー志向ゆえメジャーなカメラにはあまり興味が湧かないのでした。最初に惹かれた二眼レフのローライフレックスに関する書籍を読んでいて、レンズはカール・ツァイスという会社のすごいレンズを積んでいるという。で、そのツァイスがその昔ツァイス・イコンという会社でカメラを作っていたというのを知ったのでした。技術的にすごいものを持っていたのに、今はもう存在しない。ちょっとタイガースに通じるものが・・・、あ、こんなん書いたらツァイスファンの方に怒られるかな。(^^; タイガースファンにも。(^^;

 レンジファインダーカメラが好きなので、最初は昔のContax(京セラから出ているのはCONTAX)のII型がいいなぁ、と思っていたのですが、ライカより安いとはいえやはりそれなりに高い。しかも、II型はシャッター幕のゴムが切れやすいとか、修理してくれるところが少ないとか、初心者には中々厳しいコメントが多々見られる。で、そんな中、ワールドフォトプレスから出ている「コンタックスとツァイス・イコンの肖像」という本を読んで、Contessaという使いやすくて折り畳めばコンパクトになるレンジファインダーカメラがあると知ったのでした。

Zeiss Ikon Contessa 前蓋を閉じた状態

 ちょうど日本のオークションでBolsey C22を相場の半値くらいで落札したので、あれこれ見てたのですがどうも日本では割と人気があるようでそこそこ高い。で、海外のオークションを探してみたらええ感じのがあったので、そちらで手に入れたのでした。

 しかし、このContessa、色々ありました。(^^; 初めて海外のオークションに参加したというのもあって支払方法を国際郵便為替にして送ったのですが、タイミングが悪かったかして、大統領選の開票作業で紛糾するフロリダに送ったのが中々届かない。通常なら三日か四日で着くはずやのに、結局半月以上経ってから届いたようです。後から落札したBolsey Cの方が早く届いたもんなぁ。

 結局一月くらい経って届いたContessa。しかし、スローシャッターがえらい粘るし、レンズの内側に接着剤がにじみ出ているし、フィルムカウンタはちゃんと動かないし、一緒に送ると書いてあったマニュアルも入ってないし、えらい目に遭うたのでした。(T.T) 海外のオークションに参加する場合は、万が一のことも考えた方がいいと思います。ま、それなりに修理代がかかってもええか、と思える値段やったからいいんですけど、修理をした結果日本のショップで買うのと変わらなかったので、初心者はちゃんと保証の付いたものをショップで手に入れるといいと思います。

 さて、どうしたものか、と思っている時にたまたま東京は日本橋人形町にナオイ・カメラサービスという腕が良くて良心的な値段で修理してくれはるショップがあるというのを知りまして、早速修理をお願いした次第。フィルムカウンタだけちゃんと直ってなかったので再修理をお願いしましたが、それ以外はきちんと修理していただけました。ありがとうございます。が、Bolsey Cの修理ではえらい目に遭うたのでした。(^^; それはまたBolsey Cのところで。

Zeiss Ikon Contessa 前蓋を開いた状態

 何はともあれ、ちゃんと使えるようになったContessa。見た目はコンパクトで安原一式より一回り小さい感じですが、総金属のがっしりしたボディはずっしりと重たいものです。ノクトンをつけた一式よりは軽いけど。

 左右対称のデザインがとても素敵ですね。Contessaとは「伯爵夫人」という意味だそうですが、確かに気品溢れるデザインやと思います。前蓋を閉じた状態も開いた状態も上品でいい感じです。

 また向かって左側にあるセレン式露出計も、普段はフラップを閉じているので、露出計が載ってます〜といった感じも余りせず、すっきりした感じになっています。フラップを開いた状態でも右側のビューファインダーと大きさが同じなのであまり違和感はありません。

構えたところ

 本来は左手で下から前蓋を握って支える形で撮るのでしょうが、僕は両方から掴んで左手の人差し指を伸ばしてレンズ前面にある距離リングを回しているのでした。ほどよいおもさがあるので、リングはとても回しやすいです。いずれにせよ個人的にとても持ちやすいカメラだと思います。しかし、情けない顔になってますねぇ。いつもこんな顔して撮ってるのかと思うと・・・。(^^; ちなみにレンズには専用のアルミフードを付けてあります。

 このカメラは鏡胴が蛇腹式なのですが、レンズ部分の後ろにも金属の囲いがあるので外見からは蛇腹があるのが分かりません。フィルムをセットする時に内側から見ると、あ、蛇腹があるわ、と気がつくのでした。

ドレイカイル(回転プリズム)部分

 距離計はドレイカイル(回転プリズム)式というもので、レンズの上にある小さいツノの中に入った二枚のプリズムが距離リングと連動して回転し、そこを通過した像がボディ側の測距窓を経て、棒状プリズムを通って二重像を合致させる方式になっています。レンズ側とボディ側の連係が光学的に行われるので、故障が極めて少ないとのこと。仕組みはこちらをご覧ください。どないなってるんかなぁ、と思うんですけど、ちゃんと距離を合わせることができます。

 ただ、安原一式の等倍ファインダーに慣れると、Contessaの縮小倍率のファインダーは若干見辛いなぁ、という気はします。しかも、経年劣化でちょっと曇っているし。昼間の逆光状態では時々二重像が見え辛くなります。

 向かって左横に見える大きいレバーがシャッターレバー、小さい方がシャッターチャージレバーです。フィルム巻上げと連動しないので手動でシャッターチャージをする必要があります。Bolseyと同じくレンズ部分にシャッターレバーがあるのですが、ブレるということはないですね。全体的にバランスがいいからかもしれません。なお、1/500秒のみシャッターチャージの前にシャッタースピードをセットする必要があります。

 シャッターチャージレバーの下にシンクロターミナルがあるのでストロボ撮影も可能です。試したことないけど。最近は夜でもストロボなしで撮ってるしなぁ。どうもストロボを使うと、僕の場合、嘘臭くなるのであまり使わないのでした。(^^;

 向かって右端にはレリーズケーブルを取り付ける穴があります。ちょっと分かり辛いけれど、プレートがシャッターレバーと繋がっています。

露出計 フラップを閉じた状態露出計 フラップを開いた状態

 露出計はセレン式のもので、動いてはいますけど、精度は極めて怪しいです。明るいところでは割と正確なようですが、ちょっとでも暗くなると二段くらいアンダー気味に表示します。ま、コシナのVCメーターを使っているのであまり使ってないですけど。

 なお、左側が明るいところで使う場合のフラップを閉じた状態、右側が暗いところで使うフラップを開いた状態です。開閉により蓋にある緑のマークが見え隠れするので、それに合わせて露出ダイアル部分の緑地の部分を読んだり、黒地の部分を読んだりします。この辺の細かいところがようできていて、さすがドイツ製と思うのでした。(^^

フィルムの憶え

 反対側にあるこのダイアルは一体なんやろなぁ、と思ってたんですけど、どうやらカラーポジ、カラーネガ、モノクロのどのフィルムを使ってるかの憶えみたいですね。撮影には直接関係ありません。

Zeiss-Opton Tesser T F2.8/45mm

 写真では分かりにくいですが、紫のコーティングがきれいなテッサーレンズです。Tはコーティングしてるでって意味でしょうか。T*と違ってモノ・コーティングとか。それゆえ逆光、半逆光に弱いということですが、専用のアルミでできたフードを付ければ問題なく撮影できます。ただ、フードを付けると前蓋が閉まらないので、やや携帯性が損なわれますが。取り外して持ち歩く時も アルミなので気をつけないと簡単に変形してしまうのでした。

 絞りリング、シャッタースピードリング、距離リングが三つ並んでいて、しかもその間隔が狭いので、ファインダーを覗いたままいじっていると時としてどれがどれやら分からんようになるのでした。(^^;

 標準50mmレンズが使いやすくて好きなのですが、時々ちょっと画角が狭いかなぁ、と思う時があります。そういう時にこの45mmという、若干広角のレンズは使いやすくていいなぁ、と思うのでした。35mmほど広くないので余白が無駄に入り込むということもないし。

 絞りも開放が2.8とさほど明るくないので、夜に使うことは余りなく、もっぱら昼間のスナップ用といった感じで使っています。ただ、Bolseyと違ってあまりブレないので、夜間でのストロボなしの撮影も十分可能です。また、絞りは無段階調整が可能なので、慣れれば微妙な露出も可能やと思います。

 写りはYASHICA T4 superと同じく、コントラストがはっきりしていて絵のような感じになります。メリハリがあって、こってりした感じで、ちょっと嘘臭いなぁ、と思えるほどにきれいに写るのでした。YASHICA T4 superのテッサーよりは若干淡いような気もします。この辺はコーティングの加減でしょうか。

Zeiss Ikon Contessa 底面部

 うつ伏せにした状態。巻上げダイアルは底面の向かって左側、巻き戻しダイアルは右側にあります。通常とは反対の右側にフィルムを装填します。個人的にはこの下側にあるダイアルは使いやすくていいですね。ただ、巻上げダイアルが時々噛んで動かなくなるのが難儀やけど。そういう時はレンズを覆い隠して空写しをすれば直ります。この辺はフィルム送りを感知するギアの加減かもしれないですね。

フィルムカウンタ

 フィルムカウンタは底面に付いています。フィルムをセットした後、菱形マークに合わせて、その後巻上げダイアルを回すと自動的に1のポジションで停止します。空撮りの必要がありません。

 フィルムゲートの下にある二つのギアをフィルムのパーフォレーションが駆動することで、フィルムがどのくらい送られたか感知して自動的に巻き上げをストップし、シャッターレバーを押すことができるようにします。それゆえフィルムをセットしないとシャッターを切ることができません。

 その上にある薄い金属板は、前蓋を開いた時にボディより前蓋の方が5mm程高くなるので若干反り返るような感じになるので、引き出して水平に保つための支えです。カメラを置いて撮影する場合に使うのでしょうが、普段手に持って撮影する分にはあまり関係ないのでした。

 等倍ファインダーの方が見やすいというので、ここ一番ではやはり安原一式を使っているのですが、その次くらいに愛用しているお気に入りのカメラなのでした。(^^

Zeiss Ikon Contessa 仕様一覧
形式 連動距離計式、35mm判蛇腹折り畳み式(フォールディング)カメラ
形式名 533/24
画面サイズ 24mm x 36mm
レンズ Zeiss-Opton Tesser T F2.8/45mm
測距 二重像合致式、ドレイカイル(回転プリズム)式連動距離計
測距連動範囲 0.8m〜無限遠
シャッター形式 レンズシャッター(シンクロコンパー)
シャッター速度 B,1,1/2,1/5,1/10,1/25,1/50,1/100,1/250,1/500
同調速度 全速度
同調方式 シンクロターミナル
絞り 2.8〜22、無段階設定
測光 非連動セレン式外部露出計(ISO6〜400)
ファインダー 実像式ファインダー
フィルム装填 装填時菱形マークに合わせ、フィルムを1のポジションまで巻上げて自動ストップ(空撮り不要)
フィルムカウンタ 機械式自動順算、フィルム装填時手動セット
セルフタイマー なし
大きさ 125(幅)x90(高さ)x100(奥行き)mm (前蓋 : 開)
125(幅)x85(高さ)x50(奥行き)mm (前蓋 : 閉)
重量 約650g
関連ページ CONTESSA35
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Zeiss Contessa
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