Zeiss Ikon Contax II 2001/11/12(月) Contessaのところで書いたのですが、二眼レフのRolleiflexに関心があってあれこれ調べている内にCarl Zeissという光学メーカーがすごいレンズを作っているというのを知り、その昔子会社のZeiss Ikonが素晴らしいカメラを作っていたというのを知ったのでした。 前から観た感じがなんともいえずまとまっていていいですね。左右のノブの大きさは違うし、対物窓と副対物窓の大きさも違うし、ピント調節ダイアルが入っている部分のカバーもJの字に出っ張ってるし、個々のパーツを見るとちぐはぐなようでいて、でも全体的に不思議とまとまっている。戦後のContax IIaが整理整頓されてなんだかサラッとしてしまったのと対照的でなんとなく惹かれるのでした。佇まいがいいですね。 最初は初心者には手に余るカメラやろなぁ、と思ってたんですけどね。でも、安原一式に付けているNOKTONの描写がとてもよく、夜の街並などをあれこれ撮影していて明るいレンズにどんどん惹かれていったんですね。Contax IIにはSonnar F1.5という当時最高のレンズがあるというのを知り、ぜひ使ってみたいなぁ、と思うようになったのでした。 ContessaやBolsey C、Prominentでえらい目に遭うてたし、特にContax IIは修理するとなると高くつくというのでしっかりチェックしてあるものを保証付きで手に入れたいなぁ、と思っていたのでした。どこかでのサイトでチラッと見聞きしたライカショップというウィーンにあるお店のサイトを見ると日本語で問い合わせ可能とあるし、きちんとチェックもされてるようやし、フォローもちゃんとしてくれそうなのであれこれ探していたら、良さそうなのが幾つか見つかりました。 早速問い合わせをして見たところ、Kさんという日本人の女性の方が親切丁寧に対応してくれはったのでした。とにかく疑問に思うところは全部聞いておこうと思ってあれこれ長々と書いたんですけど、ほんま親切に回答してくれはって。おかげで安心して手に入れることができたのでした。その節は大変お世話になりました。おおきにありがとうございます。Sonnar F1.5のTコーティングが手に入ったら連絡くださいね。(^-^) ボディについていたレンズは標準レンズのSonnar F2で戦前のコーティングなしのものだったので、Sonnar F1.5のコーティングありのものも勧めてもらい、Tコーティングではないけれどそれも併せて購入したのでした。きちんとチェックして迅速に発送してくれはって、確か4月の初めに注文して二週間ほどで到着したのでした。 かれこれ60年近く昔のカメラなのでそれなりにやれてはいるけれど、その割にはきれいな状態で、角の部分のメッキが適度に剥がれて黄色い地金が見えているのも使い込まれた感じが出ていてとてもいい状態なのでした。やっぱりちゃんとしたとこで手に入れんとあきませんね。レンズもどちらとも外観はややスレた感じですけど、レンズは状態がよくてこれは当たりやなぁ、と思ったのでした。 左から旧NOKTON、Sonnar F1.5、新NOKTONです。こうやってみると大口径の割にはかなりコンパクトに作られているのが分かりますね。重さが150gしかありません。NOKTONより100g近く軽いです。ボディと合わせても約700g。Prominentのボディのみの重さと同じですね。横長のボディでそれなりに厚みがあるので大きく見えますが、比較的軽く両サイドのエッジが落とされて握りやすくなっている(オクタゴン型、八角形ですね)ので使い易いカメラやと思います。 Prominentのところでも書きましたが、敷いてあるバスタオルがSonnar F1.5と新NOKTONでは白く見えてますね。旧NOKTONのはやや黄色っぽくなっています。Sonnar F1.5のガラスはクリアなもので、こういうのが撮影結果に影響されるのでしょうか。詳しいことは分かりませんが、旧NOKTONとは明らかに違う雰囲気の写真が撮れるのでした。 五月にモルディブに行った際に、強い日差しの中などであれこれ撮影してみたのですが、少々逆光になっても問題ありませんでした。フードはもちろん付けていたのですが、ほんまシュッとして鮮やかな画質ですね。「モルディブの花と緑」や「モルディブの碧い海」などに作例を載せてあるのでどうぞ御覧になってみてください。 ただ、夜はさっぱりあきませんね。点光源がかなり滲んだ感じになって、最初は手ぶれしてるのかなぁ、と思っていたのですが、一脚を使ってみてもやっぱり同じような結果になったのでした。コマ収差というのでしょうか、なんか明るすぎる光源やとぼやけてしまうということらしいですね。新NOKTONでの夜間撮影のようなキラキラした感じのものを期待していたのでそれはちょっと残念です。でも、戦後のTコーティングの施されたものはコマ収差も少なくてあまり滲まないそうなので、いつか手に入れて試してみたいなぁ、と考えているのでした。 これは元々付いていたSonnar F2を取り付けた状態。撮影時は左側のように引き出して使います。使わない時は右側のように本体に引き込めるのでコンパクトになって携帯に便利ですね。これはコーティングなしのタイプなので使ったことがないのですが、モノクロフィルムではいいかもしれへんな。 これまたいずれTコーティングの施されたものを手に入れたいなぁ、と考えているのですが、固定鏡胴のものしか見つからなくて。もしかして沈胴タイプはないのかなぁ。またちょっと調べてみなければ。Kiev用のJupiter-8がコピーレンズらしいんですけど、こちらはきちんとコーティングがされていて、割と描写もいいらしいです。こちらを手に入れてもいいかな、なんて考えています。King-2などで程度の良さそうなのを見掛けますね。海外のオークションでも見掛けるけどなぁ…。いかん、気をつけねば。(^^; レンズに純正のアルミフードを付けたところです。かなり大振りでいかつくなりますけど、効果抜群ですね。見た目もクロームのボディとマッチしていてなかなかいい感じです。これはContessa用の純正アルミフードと同時に海外のオークションで落札したものです。心斎橋のOSカメラサービスで尋ねたところ滅多に見つかりませんよとあっさり言われた直後やっただけに嬉しかったなぁ。しかも割とお手頃価格で落札できたし。 これは副対物窓側にあるピント調節ダイアルです。左側が無限遠でロックされた状態。右側がロック解除された状態。無限遠ロック状態でレンズの交換を行うので、その間マウント部分が動かないようにするんでしょうね。 ピント合わせはレンズ自体を回しても可能ですが、このダイアルを回すことでも可能です。というより、こちらを使う方が右手だけで操作できるので案外楽かも。但し、当然レンズより径が小さいので最短距離から無限遠までかなり回さんとあきません。でも、微妙なピント合わせをするのに便利ですね。 距離合わせはレンズの少ない繰り出し量ではなく、ヘリコイドの大きな回転角によっているのでかなりシビアにピント合わせができるようです。詳しいことは分かりませんが、例えば壁にかかっている絵などをちょっと斜めから覗いただけでも、二重像の一方の端がピント合ってて他方の端が合ってないなんてことになるので、かなり微妙なところまで見極められるんやなぁ、と実感しているのでした。 これは副対物窓側の巻上げノブ。シャッターチャージも兼ねているのですが、これが若干重たいです。Prominentもそれなりに重たいのですが、重たさの種類がちょっとちゃうなぁ。なんでかなぁ、と思って見ていたら、Prominentは反時計回りで力を掛け易いのに対して、Contax IIは時計回りで力を掛けにくいんですね。そやから力要るように感じるんやろなぁ。 シャッタースピードの設定は巻き上げ前でも巻上げ後でもできます。でも、巻上げ前やと低速シャッター側にセットし直すのが若干分かりにくいので、ついつい巻上げ後にセットしてしまいます。ほんとはテンションがかかっている状態で低速側に移動するのはあまりよくないらしいけど。慣れるようにせんとアカンのかなぁ。逆に高速側に移動するのは楽ですね。スッと移動します。 シャッターボタンは巻上げノブの中央にあるのですが、右手中指をピント調節ダイアルに載せると自然とこの位置に人差し指が来るので、うまいことなってるなぁ、と思うのでした。右手は確かに変則的な配置になりますけど、決して無理があるってわけやないです。 フィルムカウンタはContessaと違って全くの手動セットです。一応37まで目盛りが付いているのですが、どうも25枚ちょっとで止まってしまうような感じですね。Kievではモデルによって24枚撮りフィルムまでにした方がいいなんて聞くのですが、もしかしたらこのContax IIもそうなのかも。27枚のところに赤いポッチが付いてるし。そういえばContessaのフィルムカウンタもそれくらいで止まってるなぁ。仕様上の問題なのかなぁ。いつもふと気づいて、なんかカウントされてないなぁ、と思うのでした。ま、そんな厳密に何枚とか気にするような撮影してないのでええんやけど。 これが鎧戸式メタルフォーカルプレーンシャッターです。まさにシャッターって感じ。金属の板が何枚も連なっているのでした。聞くところによるとこれを繋いだいるリボンが当初は天然繊維で切れやすかったらしい。で、これが切れるとえらい目に遭うとか。現在では化学合成繊維があるのでそれを使用すれば問題ないそうです。購入時にその点をはっきりさせなかったのですが、きちんとチェックしてくれたようなので、ま、しばらくは大丈夫でしょう。 背面部から見たところ、左から巻上げ前、巻上げ途中、巻上げ後。まさに店先のシャッターが上がっていくかの如くキリキリキリと上がっていくのでした。 シャッター音は高速側はコトッという音でProminentより小さい乾いた音です。1/50以下はいわゆるねずみ鳴きと呼ばれるキュ〜ッという音。なんとも言えない音ですね。Prominentや安原一式がジ〜ッというのと違って趣のある音です。 このContax IIには後から付けたシンクロ接点があります。なんとなくKievっぽいところがなんともいえない感じですが、接点の大きさはKievのものとは違って細い先だけのものです。同調速度は1/25以下。これはContax IIaなどの初期のブラックダイアルと同じでしょうか。後にシャッターがアルミになって同調速度が1/50に上がったようですが、このモデルではまだ真鍮製のシャッターなので同調速度は若干遅いようです。 いずれはフラッシュの使えるContax IIaも欲しいなぁ、なんて思っていたのですが、お気に入りのContax IIにシンクロ接点が付いてるのが分かってちょっと喜んでいるのでした。人によってはオリジナルでないからというので敬遠されるのかも知れませんが、個人的には人と違う方がええし、実用性があればなおよいと思っているので、注文後に判明した時はほんま嬉しかったのでした。 ま、でも、1/25は結構微妙な速度ですもんね。ISO400のフィルムを入れてたら室内でも少々ならフラッシュ無しで撮影できるし、ちょっと人物を撮りたいな、という時くらいしか使わないかも。でも、スローシンクロで使ってみてもいいかなぁ、という気はしています。 底面部にはしっかりとしたスタンドが付いています。これがないと径の小さいレンズでは前に倒れてしまうので、ちょっと置く時に重宝します。 左側のロックレバーのそばにあるのが巻上げ解除ボタンです。巻き戻し時にずっと押してないとアカンのですが、大きめのボタンで押しやすいので指先が疲れるということはないです。 裏蓋ロックレバーを起こして180度回転させると裏蓋が外れます。慣れたら左手の中指と薬指で挟むような感じでカメラを支えて右手だけでフィルム交換ができると思います。裏蓋をはめるときにきちんと溝に合わせておかないとうまくはまりません。これはちょっとコツが要るかも。フィルムマガジンを使用すると若干締め辛くなるような感じです。 ボディ前面、向かって左側にセルフタイマーのレバーがついています。Contax IIではレバーに隠れていた小さいスイッチを押すことでタイマーがスタートします。これはProminentがシャッターボタンを押すのとちょっとちゃいますね。Prominentのセルフタイマーはちょっと怪しげでしたが、Contax IIのセルフタイマーはきちんと10秒で切れています。機構的には全く問題なさそうですね。 これは巻き戻しノブですが、聞くところによると通常は矢印だけが刻印されているそうで、このように縁に型番が刻印されているのは珍しいそうです。ライカショップのスペシャリストの方も初めて見たとか。コレクションアイテムだそうですが、手放すつもりはないのであまり関係ないかなぁ。でも、人のとちょっと違うっていうのは嬉しいですね。他にも裏蓋の底やボディ内部の底面にも型番の刻印がありますが、これはちょいちょいあるみたいですね。 この巻き戻しノブですが、ちょっと薄くてつまみにくいので巻き戻しがちょっと大変なのでした。しかも、シューの高さと余り変わらないのでコシナのVCメーターが正面に向けて付けられないし。コシナからは段を付ける二連のシューアダプターが出てるそうですけど。とりあえず今はVCメーターを逆に付けて使っています。ま、露出を計るのも最初くらいで後はそんなに使わないし。何事も工夫ですな。(^-^) Contax IIを構えた所です。これまた変わった握り方になってますね。右手が上から乗せるような感じなので、左手はちょっと下から支えるような感じになります。左手の人差し指は巻き戻しノブに持って来てもいいのですが、それやとちょっとファインダーを覗く時に顔に当たるので、自然と写真のような構えになっています。一番安定してるような気がする。シャッターボタンのストロークが若干重いのできっちり構えないとスローシャッターで手ぶれが心配ですが、ストローク自体は短めなのでこうやって構えて顔にきちんと押し当てれば問題ないです。個人的には全く使いにくさを感じておりません。 愛用しているレンジファインダーカメラのフラッグシップ機を並べてみました。いや、ほんとは安原一式のところにはLeica M3があればなおいいんですけど、高くて買えないから。(^^; でも、どれもすばらしいレンズを使うのに最適なカメラやと思います。 こうやって見ると安原一式は最も一般的な形なのかなぁ。Contax IIは明らかに横長やし、Prominentはどちらかといえばスクエアな感じですね。どれもどれとも似てないところがいいですね。でも、同じのんは嫌やし、色々ちゃうのがええなぁ、と思う性格なので、これはなかなかええチョイスやないかな、と思うのでした。 ま、生来のマイナー志向でみんながやいや言うのは余り好きやないので、多分Leicaは手に入れないような気がする。でも、50mmレンズが使い易いM3は使ってみたいなぁ、と思うのでした。その前にRolleiFlexやな。(^-^) できれば2.8Fと3.5Fを使ってみたいなぁ、と考えています。PlanarかXenotarかはこれから考えますわ。 なんか安原一式を手に入れた頃はこれ一台を大事に使おうなんて言うてたのに、いつも間にやらカメラが増えてる。やっぱり写真そのものよりも機械に惹かれるからやろなぁ。色んなレンズを使ってみたいというのもあるし。余裕がないのになぁ、と思いつつ、これは運命の出会いや、を言い訳にいつもあれこれ工面してゲットしているのでした。(^-^) Contax IIのまとめになってないような気がしますが、ま、ええか。 |
Zeiss Ikon Conax II 仕様一覧 | |
形式 | 連動距離計式35mm判カメラ |
レンズマウント | Contax RFマウント |
形式名 | 543/24 |
画面サイズ | 24mm x 36mm |
測距 | 二重像合致式連動距離計 |
測距連動範囲 | 0.9m〜無限遠 |
シャッター形式 | 鎧戸式縦走りメタルフォーカルプレーン |
シャッター速度 | B,1/2,1/5,1/10,1/25,1/50,1/125,1/250,1/500,1/1250 |
同調速度 | 1/25以下 |
同調方式 | シンクロターミナル(後付け) |
ファインダー | 逆ガリレイ式、倍率0.7 |
フィルム装填 | 裏蓋脱着、フィルムスプール又は専用フィルムマガジン使用 |
フィルムカウンタ | 機械式自動順算、フィルム装填時手動セット |
セルフタイマー | 機械式10秒 |
大きさ | 140(幅)x85(高さ)x40(奥行き)mm (突起物含まず) |
重量 | 約540g |
関連ページ | ZEISS, the monstrum lumens FABRICA(Contax II型の操作説明およびFAQ) 画廊 Contax II (PICTVRA LVMINE-Annexe du Cafe du Chat Vert) ZEISS図鑑 クラシックカメラのいろいろ『Contax』 アナログカメラ??アナクロカメラ?? Zeiss Ikon ツァイスイコン 写真機という人生 Old Zeiss Not only Leica... Zeiss Contax II and III (Classic Camera Profiles) Leica Shop(ライカショップ) |
Carl Zeiss Sonnar F1.5 仕様一覧 | |
焦点距離 | 50mm |
口径比 | 1:1.5 |
最少絞り | 16 |
レンズ構成 | 3群7枚 |
画角 | 46° |
絞り羽根枚数 | 11枚 |
最短撮影距離 | 0.9m |
全長 | 41mm |
重量 | 150g |
フィルターサイズ | φ40.5mm |
マウント | Contax RFマウント |
その他 | コーティングあり (not T coating) |
関連ページ | ZEISS Lenses Zeiss Lens spec (PICTVRA LVMINE-Annexe du Cafe du Chat Vert) ツァイス・ライツの代表的標準レンズのピントに関する考察カールツァイスレンズ名 ゾナー 1.5 戦前 戦後 (17%gray) |
Carl Zeiss Jena Sonnar F2 仕様一覧 | |
焦点距離 | 50mm |
口径比 | 1:2 |
最少絞り | 16 |
レンズ構成 | 3群6枚 |
画角 | 46° |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
最短撮影距離 | 0.9m |
全長 | 34mm |
重量 | 150g |
フィルターサイズ | φ40.5mm |
マウント | Contax RFマウント |
その他 | コーティングなし |
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