BOLSEY C22 <2001/04/25(水) 放出済み> 2000/11/01(水) このBOLSEY C22はYashica-Dと違って一般的な35mmフィルムを使うんですけど、レンジファインダー方式と個人的に好きな仕組みである二眼レフ方式とを併せ持った珍しいカメラです。雑誌で見掛けてずっと欲しいなぁ、と思っていたのでした。たまたまオークションで見掛けて相場の半値くらいやったので、試しにと最高値よりちょっと高めに入れたらそのまま落札してしまったという、ま、運命的な出会いやね。;-p 上から見たらおにぎりみたいでかわいいです。かなり小さい。こんなちっさいのをあんな手のでっかいアメリカ人がどないやって使ったんやろ、と思ったのですが、どうも女性に受けたってことらしいです。日本人の感覚ではやや重たいかな、という気もするけれど、アメリカサイズではかなり軽量なんでしょうね。(^^; そうそう、このCシリーズと軍用モデル以外はストラップをつけるとこがないそうで、普通はケースに入れて持ち歩くそうです。ピンク色というか肌色というか男が持つにはややこっぱずかしいケースなので、元々ケースを使わない僕にはありがたいことなのでした。(^^ アルミダイキャストを磨き上げた表面に透明ラッカーを塗っただけの外装はどうしても剥げ易く、腐食し易いそうです。半世紀も前のカメラであり、僕がゲットしたものもビューレンズの上の辺りや背面の接眼部辺りがそれなりに剥げていましたが、年式相応で特に汚いって感じはしないですね。後できちんとクリーニングしたらピカピカになりました。皮は元からきれいやったので、皮用のクリーナーで磨いたら新品のようにきれいになりました。なかなかええ感じや。(^^ レンズはアナスティグマットタイプのものでこってりとした描写が特徴らしいです。試しに撮ってみたけど、今まで使ったレンズの中で最も見ために近い描写をしているなぁ、と感じました。 関係ないけど、どうもレンズって特許が切れた後のツァイスレンズとかライカレンズとかのコピーってのが多いみたいですね。アナスティグマットというのも確かツァイスのレンズ名やったと思います。精度や特徴の違いはあるやろけど、素性はしっかりしているって意味で僕みたいな素人レベルではレンズメーカーのことは気にせんでもええんやなぁ、と思いました。 撮影は特に難しいことはないですね。レンズ周りに絞りレバー、シャッタースピードレバー、シャッターレバー、ピントリングが揃っているので、適当に合わせて撮ればオッケーです。最高スピードも1/200までなので、日中は適当に絞って撮影すればいいですね。開放でf3.2やし、スローも1/10なので暗いとこではちょっと辛いかなぁ。現在ではフラッシュが使えないので、ま、三脚にセットして二重露出などで撮るのはおもしろいかも。 元々はBolsey Bシリーズというのがあってレンジファインダーだけやったんですけど、Cシリーズでは距離計をそのまま残して二眼レフ用のビューレンズを載っけています。この屋上屋を架すような発想といいますかセンスといいますか、なかなかに素晴らしいもんやなぁ、と思います。(^^ 設計しはったボルスキーさんという方はアルパの初期モデルを設計したというので有名で、スイスにいてはった時もレンジファインダー内蔵一眼レフ、ボルシーレフレックスというのを設計したことがあるそうです。アメリカに渡ってからもやってもた〜、いうとこですね。:-) 一体中はどないなってんねん、と思いますが、実はそない大したことなくてがらんどうです。細い距離計窓に合わせた小さい鏡が二枚配置されていて、その間に二眼レフ用のミラーが配置されています。ま、元々Bシリーズではこの部分に通常のビューファインダーがあったので、それを向かって左端にどけたっていうだけで、そない難しいことやなかったんでしょうね。 とにかく二系統のピント合わせがあるというのは何かと便利なのでした。60cmまで寄れるのでウェストレベルファインダーを覗きながら接写するのも楽ですね。
シャッターはエバーセットでフィルム巻上げとは連動してないそうです。だから、このシャッターレバーが上まで戻ってしまうとセットされてしまって二重露出の恐れがあります。そこでBolsey B2からは二重露出防止機構が付きました。と書くと仰々しいですが、なんてことはなく単にピンをつけただけです。シャッターレバーを下ろすと右の写真のようにニョッとピンが出て来ます。これに引っ掛かってレバーが戻り切らず、フィルム巻上げノブをギリギリ回すとちゅ〜っとピンが引っ込むという仕組み。 でも、実はこのピンは指で簡単に押し込むことができます。(^^; そやから二重露出はやろうと思えばできます。シャッタースピードの選択肢が少ないので、二重露出を使いたいシーンもあるかと思うので、それはそれでええんやけど、ま、三脚立てて使うようなカメラでもないしなぁ。レリーズケーブルを取りつけるとこがあるんですけどね。ま、でもうっかりミスの防止には役立ってますね。 それから、低速ではかなりブレやすいと言われています。なんでかなぁ、と思ったんですけど分かりました。シャッターレバーがレンズ周りを弧を描いて回るのでどうしても力の加え方が変になってボディを揺らしてしまうんですね。おまけにストロークも長い。最初にピンが外れて伸びる時の「チャッ」という音でシャッター切ったような錯覚をするのも影響してます。で、気を抜くんやけど、実はまだレバーは下に下りるのでついグラグラッとなってしまうのでした。この最初の「チャッ」はシャッターとは何の関係もないので、撮影前に外してちょっとレバーを下げておくのも手ですね。それとレバーはググッと押すよりは、真下にはじくような感じにするといいと思います。あまり力を加え過ぎないのがコツですね。 それからこのC22ではSET-O-MATIC機構というのが採用されています。手前に見えるプレートを引っ張り出すと奥にある絞りレバーを固定して、後は距離リングを回すと絞りが連動して変化するようになっています。 背面にこんな風に使用するバルブとフィルムの組み合わせでAからDのセットがあり、それに合わせて上のプレートの穴に絞りレバーを入れて固定すればオッケーということらしいです。でも、フラッシュは一般的なストロボではなく当時の専用フラッシュガンを使用するもので、左に見えている接点ターミナルも現在のホットシュートは違う企画なので今となってはほとんど役に立たないのでした。聞くところによると接点を加工してシンクロをX接点用に調整すればストロボを使えるそうです。いずれやってみたいなぁ。でも、どうやって調整するのやら。(^^; それと、SET-O-MATIC機構を実現するに際してヘリコイドの構造が変わっています。それまではピントリングの回転角に合わせて均等にレンズが繰り出される通常の直進ヘリコイド方式でしたが、SET-O-MATIC機構を搭載したB22やC22では絞りの目盛りに合わせてレンズが繰り出されるカム方式になっています。どないちゃうかといいますと、カム方式やと近距離側ではちょっとピントリングを動かしてもレンズがグワッと動いてしまいます。逆に遠距離側ではピントリングを大きく動かさないとレンズが動かないです。近距離では厳密なピント合わせが要求されるので若干操作性が悪くなっていますね。確かに遠距離から近距離にピントリングを回して行くと近距離側でレンズがいきなりカポンというて飛び出す感じです。おっとっとってなりますね。(^^; どうせフラッシュが使えないなら通常のC型の方が良かったかなぁ。 これはウェストレベルファインダーを覗いたところです。何も写ってないんですけど、もちろん撮影時には対象がばっちり見えています。Yashica-Dの6x6のような大?画面とはまた違った趣きがあっていいですね。昔々香港土産で夜景をスライドで見る機械があったんですけど、あれに近い感じです。小さい頃付録で作った幻灯機も思い出すなぁ。コンデンサーレンズの底をすりガラス状にしているのでいかにも古めかしい見え方をするのでした。ただ、画面サイズが小さいので目が悪いとピント合わせがやややり辛いですね。あ、手前の黒いのはルーペです。 それから、これは軍艦部を開けた時の写真です。びっくりしたのはレンジファインダー用のビューファインダーや距離計窓の反射防止に使っているのが黒の画用紙やったということです。ボンドでくっつけてるだけです。SMENA8MやHOLGA 120Sといったチープカメラでもこの部分はプラスチックやったりするので、なんといいますか、アメリカの合理主義を垣間見たような気がするのでした。(^^; |
BOLSEY C22 仕様一覧 | |
形式 | 35mm二眼レフ・レンジファインダーカメラ |
使用フィルム | 35ミリフィルム |
画面サイズ | 24x36ミリ |
レンズ | ウォーレンサック アナスティグマット 44mm F3.2 |
ファインダー | 逆ガリレイ式二眼式レンジファインダー(上下像合致式) 反射式ウェストレベルファインダー |
撮影距離 | 0.66m〜無限遠 |
フィルム感度設定 | ISO/ASA:8〜100 |
シャッター | ウォーレンサック 3枚羽根 エバーセット T, B, 1/200, 1/100, 1/50, 1/25, 1/10 セルフタイマーなし |
シンクロ接点 | 専用フラッシュガン使用 シンクロターミナル付き(ボディ背面) |
フィルムカウンター | 手動セット順算式 |
電源 | 不要 |
大きさ | 108x94x62mm |
重さ | 530g |
その他 | SET-O-MATIC機構付き |
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