- 投稿 1999/05/16更新 2024/12/31
- 雑文
先月は統一地方選挙というのがありました。頑張れ誰それ、負けるな誰それ。毎回毎回同じしゃべりで、もうちっと工夫したらええのに、などと思っていましたが、どうやらあれは全国ナンチャラカンチャラいう統一の要式らしきものがあるらしい。
しかし、どれも一緒やったら誰に入れたらええんか分からないじゃないですか。まぁ、本人以外が政策とか言うたらアカンのかもしれませんが、せめて立候補してはる人のカラーくらいは出してもええのやないかな、と思います。その点、マニュアルの読まなくていいところを読んでみたり、ベテランの人に突っ込まれてマイクを持ったまま「あ...」と言うてしまったりした方が、味があってええなぁ、と個人的には思います。身近にあった実話なり。
それはさておき、我が藤井寺でのお話。駅前からちょっと西に行ったところに線路のガードをくぐって車が往き来するところがあるんですね。高架下辺りがすれ違いが無理な狭さで、どっち側のもんも我先に行こうとするので、朝方の出勤時間とか夕方の帰宅時間とかにしょっちゅうズラーッと大渋滞が生じています。で、時々怒鳴り合いをやっている。僕も一度やったことあるけど。「こっちは五分も待ってんじゃ、ボケぇ〜!」などとつい怒号を飛ばしてしまった。でも、向こうから来た人にはこっちが何分待ってたかなんて分からないですね。今来たところなんだから。信号つけるか、一方通行にするか、幅を広げるかして頂戴よ。
話が逸れましたが、選挙シーズンまっただ中のある日、その高架をくぐろうとしていたときに、前をちょうど選挙カーが降りていったんですね。あの天井に拡声器の箱を載せたの。普通のワンボックスでギリギリくらい、そうやなぁ、ええとこ2mちょっとくらいの高さしかないから、無理やんけぇ、と思っていたのですが、案の定、高架手前の高さチェックの横棒の手前で立ち止まりました。兄ちゃん勢いで行ったけど、やっぱりアカンかったな。それまで愛想ようしゃべっていた嬢をつけるには少々ためらいを感じるウグイス嬢の方もマイクを握ったまま沈黙してしまいました。
ちょっと車間を空けてはいたのですが、言うてる間に後続の車がピタピタっとくっついたので、そのまま下って抜け出すことが不可能となりました。さて、どうするよ、兄ちゃん、ちょっとしゃがんでって訳にはイカンで、などと思っていましたら、おもむろに反対車線の方へケツを振り、下りだしたのです。お、なるほど、やるやないか、とちょっと感心、一つ一票入れてやるか、などと思いました。でも、よく考えたら他に方法がなかっただけなんやけど。
それはともかく、車が下がりだした。対向車の人も事情を察してかおとなしく待ってくれてはる。ま、なんとかなるやろ、と思っていたその時、ウグイス嬢はカッと振り返り、満を持してしゃべりを再開したのでした。
「皆さま、お忙しい中、バックにて失礼いたします。」
それはちゃうやろ、思わず突っ込んでしまいましたよ。いや、冷静に対処しているという意味では褒められるべき対応かもしれないけど、ちょっと悠長すぎないか。まぁ、直接運転していたわけじゃないからあまり焦ってなかったのかもしれないけど、もうちょっと人間味ある対応でもええのやないか、と思ったのでした。それこそ、ノックさんの「後ろ向きでも政治は前向き」いうポスターくらいの遊び心があってもええのやないか。も一つやったけどね、あれは。そうやな、受かった暁には選挙カーもくぐれる高架を実現、くらい言うても良かったンやないか。多分、あの時あの高架を通過していた人たちのハートをグッと掴んでいたと思うなぁ。オーっ、この人ならこの高架を何とかしてくれるって。ないかな、それは。
もし、もしああいう有事に際してどうしゃべるか、というマニュアルがあるとすれば、それはそれですごいなぁ、と最近になって思ってるんですけどね。あるいはベテランの味というのか。でも、やっぱりカタにはまったのって堅苦しくて嫌やなぁ、と思うのでした。あ、でも、他人におケツ向けるのは失礼やと自然と思って出た言葉だったとしたら、う〜ん、それはそれで行儀がええやないか、と思うなぁ。あ、だったら、あれですわ、トラックがバックするときの声が出るの、あれにしたらええんやないかな。「ピピー、ピピー、バックにて失礼いたします。ピピー、ピピー、バックにて失礼いたします。」それはやりすぎ。ま、やっぱり、「ちょっと後ろすいませんなぁ。」くらいがええのやないでしょうか。
ま、やっぱりものは見様ということで。でも、そういう見様のすき間にツッコミどころがあるので、辞められまへんなぁ、と思うのでした。あれ、なんか真面目やん、今回。どこがやねんな。
